ちょうど法人・個人ともに、生命保険の名義変更の相談がありましたので、
生命保険の契約者変更について書いてみます。
生命保険の名義変更とは?
生命保険は保険を契約して、
- 保険料の支払いをする「契約者」
- 保険の対象となる「被契約者」
- 保険金を受け取る「受取人」
と分かれます。
簡単に言えばこのような関係となるのですが、
契約後に対象を変更することができたりします。
それが「名義変更」です。
個人の場合の名義変更を例に出します。
例えば受取人を本人から子供に移した場合、
名義変更時に贈与税はかかりません。
解約時や満期時に子供の方に保険金が支払われ、
その支払われた保険金には所得税がかかります。
法人の場合も同様です。
よくある節税対策で、生命保険の「低解約返戻金型の逓増定期保険」を利用し、
まずは保険料を法人が負担します。
その後生命保険の解約金返戻が金額が少ないうちに、社長や役員が名義変更時の返戻金相当額で保険を買取し、名義変更をするというものです。
返戻率が、1年ないし2年ほどで一気に10%→90%などに上がった時に
解約をして個人が保険金を受け取ります。
キャッシュを個人に移転するというものです。
もちろん個人に所得税がかかります。
これらの取引は今までで言えば、名義変更をしても税務署に通知されることはありませんでした。
結局生命保険の支払いがあった時点で、各生命保険会社から支払調書が税務署に提出されていたのです。
※支払調書は、端的に言えば「私は誰にいくら払いました」という証拠書類です。
生命保険の契約者変更情報が税務署に提出される事に
平成30年1月1日以後に生命保険契約等について、契約者変更が行われた場合
保険会社に提出を義務付けるという制度が新たに整備されました。
支払調書の提出が義務付けられるのは、以下の場合
死亡による契約者変更があった場合 死亡による契約者変更情報および解約返戻金相当額等を記載した調書を税務署長に提出
上記以外の契約者変更があった場合 保険金等の支払時の契約者の払込保険料等を記載することとする。
名義変更では、保険料の受取時に保険料を払っていた人が異なるにもかかわらず、
払い込んだ保険料を全額差引く事の妥当性などが問題視されていました。
先ほどの法人の低解約返戻金型の保険などは、個人が会社から保険を買取る時の金額が
法人が支払った保険料の金額よりもかなり少ないのですからね。
そのような問題を是正すべく、今回のような措置が取られるようになったと思われます。
個人間での名義変更では、実際には贈与の問題もありますからね。
まとめ
先日の案件では、保険会社はそこまでのリスクなどは一切説明していないようでした。
知ってか知らずか、そのような商品の売り方は私は大嫌いですね。
全ての人がそうではないという事は前提ですが、保険は「売ったらもう会わないから」
と、いい加減な売り方の人も多いそうです…。
ぜひ皆様もご注意くださいね。
「高橋輝雄税務会計事務所」では税務を始めとして、幅広く皆様の相談をお待ちしております。
【編集後記】
暑い日に限ってスケジュールがなかなか充実してました。
おかげさまで、万歩計もかなりの歩数に!
それでも1万歩ぐらいです。
昨日は昼食が17時過ぎになってしまい、食事にも気を付けないとと思いました。
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