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税務Q&A:007「Youtubeの出演料は源泉徴収の対象ですか?」

今回は法人の顧問先様からいただいた質問となります。

『Youtubeの出演料は源泉徴収の対象ですか?』

という質問でした。

一瞬対象になるかとも考えましたが、よく考えれば違うような・・・。
確かにこちらは支払側にとっては迷うところだと思います。

私が顧問先様に出した結論は源泉徴収不要という結論でした。

実際に源泉徴収とは?というところから記載して参ります。

今回の記事が今後の一助になれば幸いです。

お問合せ、ご相談のお申し込みは以下「問い合せフォーム」をご利用ください。

源泉徴収とは何か?

そもそもですが、源泉徴収とは、給与や退職手当、利子、配当等、報酬・料金など対象となる所得を支払う際に、あらかじめ決まった税率の所得税を差し引く(天引き)方法によって徴収するものです。

徴収した所得税については原則は支払月の翌月10日までに納税します。

この所得税を徴収して国に納付する義務を負う者を源泉徴収義務者と呼びます。
報酬などは徴収される側は個人しか発生いたしませんが、源泉徴収義務者については法人だけでなく個人事業主でも行う側となる可能性があります。

なお、このように源泉徴収された分はどうなるかと言いますと、徴収された側が確定申告を行う際に納める所得税から引かれる事となります。源泉徴収分を引いていない確定申告書もたまに見られます^^;

源泉徴収する所得税の対象は決まっている(限定列挙)

源泉徴収するかどうかはよく議論になるのですが、実はこの源泉徴収する所得税については対象が決められています。コレを限定列挙と言います。

逆に言えば、列挙されているもの以外は源泉徴収しなくても良いとも言えます。

少し列挙の例を挙げてみましょう。

  • 日本の居住者に対する給与・退職金・利子・配当
  • 原稿料
  • 写真料金
  • 作曲料金
  • 演劇、演芸の台本の報酬
  • 脚本、デザイン料

代表的なもので言えばサラリーマンの給料ですね。
また、個人でも”プロ”と呼ばれる専門技術や芸術に近い分類のものも対象となるものが多いですね。

Youtubeに出演する場合は源泉所得税の対象となるのか?

さて、本題に入ります。

今回のご相談事項としてはYoutubeの動画制作をする際にその動画に出演してもらうためのギャラについての支払について源泉徴収が必要かどうか?という事でした。

この場合に先ほどの所得税法の源泉徴収事務に関して調べても「Youtube」という単語はモチロン出てきません(笑)

所得税法が施行されたのは1965年4月1日ですから、今から半世紀以上前です。それだけに当時は存在しない概念も多くあります。

1例を挙げるならばホームページ制作。こちらはその仕事がプログラム(いわゆるコーディング)中心ならば源泉徴収は不要ですが、その大部分がデザインである場合には源泉徴収の対象であるという見解が一般的です。

 

それではYoutubeの出演料はどうでしょうか?

結論から申し上げますと「原則として源泉徴収は不要。ただし芸能人の場合は徴収する」というのが私の結論です。

そもそもとして前提は源泉徴収は限定列挙されています。

そして、下記の国税庁の資料にも出演料として源泉徴収の対象として上がっているものは「映画、演
劇その他芸能又はラジオ放送やテレビジョン放送の出演や演出又は企画の 報 酬・料金」とされています。

国税庁:「報酬・料金等の源泉徴収事務」

それを考えますとYoutubeはテレビやラジオに近いものではありますが、テレビでもラジオでもありません。Youtubeは広義的にはSNSとも言われています。

ですので出演する方が芸能人でも無い限りは源泉徴収は不要だという結論です。
※芸能人は源泉徴収の対象として列挙に入っております。

ただし、現場の声として調査官から源泉徴収漏れを指摘される事もあるそうです。もしもそのような事があったら、ぜひ「根拠条文」を求めていただければと思います。そして後学のために情報を共有していただけるとありがたいです。

まとめ

以上、「Youtubeの出演料には源泉徴収が必要?」という質問についてお答えいたしました。

最近はテレビやラジオがオールドメディアと言われてYoutubeしか見ないという方も多いですね。
それだけにいつか源泉徴収の対象となる日が来るかもしれません。

それだけにこの見解は2023年10月5日の法令に基づく個人的な見解である事を補足しておきます。

 

今後もこういった顧問先様等からの相談事例をもとに記載して参ります。

最後までご覧いただきましてありがとうございました<(_ _)>

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