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個人事業主が納める税金は?いつから支払うの?

個人事業主に関係する税金とは?

こんにちは。東京都中央区日本橋茅場町の税理士 高橋輝雄(@teruozeimu)です。

個人事業主さん
いざ個人事業主になったは良いけれど、個人事業主が納めなければいけねい税金って何だろう?

個人事業主というのは会社員と異なり、税金は給与から天引きされて終わりという訳ではありません。

また、自分で納めなければいけない税金というのは意外に多いのです。

それだけに自分で考えてお金も使わないと、税金の支払いを忘れていて資金がショートしたという話もよくお聞きします。

今日は「個人事業主が納める税金」について見ていきましょう。

 

①所得税

確定申告は忘れずに

一年間の個人事業主としてのもうけ(所得)にかかってくるのが所得税です。1/1~12/31の一年間が閉まったら、計算して確定申告を行います。

確定申告の期間は通常、翌年の2/16~3/15になります。

税率は稼ぐほど上がる

日本の所得税は累進課税制度。つまりは儲ければ儲けるほど税金が上がる仕組みとなっています。

日本の所得税の税率は5%~45%とその幅もかなり広くなっています。

自分で確定申告で計算して期限までに納める事になりますね。

国税庁が推奨する「振替納税」という制度を使えば口座振替になり、かつ、納付期限が一ケ月ほど伸びます(4月中旬に引き落としになる)。

 

還付申告は早めにできる

税金が戻ってくるような「還付申告」の場合には実は1/1からも確定申告できます

フリーランスなどは源泉徴収されて、前払いで税金を取られていることも多いでしょう。早めに確定申告をして、一日も早く税金を戻してもらう事もできます。

還付申告は医療費控除のような簡単なものしかできないように思われていますが、実は事業所得も例外ではありません。

 

②住民税

住民税は市区町村が課税する

住民税は直接自分で計算するというよりは、確定申告を行ったデータを基にして自分が住む市区町村が税金を計算します。

住民税も自分で納める

サラリーマンであれば給与の際に住民税が天引きされる「特別徴収」という方式だったと思います。

しかし、個人事業主は通常は給与からの天引きではない自分で納付する「普通徴収」となります。

確定申告で所得税を納めて終わりではないので注意しましょう。

住民税の納付は一括もしくは年4回

普通徴収で住民税を納める場合、一括ですべてを支払ってしまうか、6月・8月・10月・1月の年4回に分けて自分で住民税を納める形式となります。

5月末ごろに納付書と計算過程の基となった課税明細書が自宅に送られてきます。

 

住民税は上記の計算方式から、納税のタイミングがほぼ一年遅れでとなる事に注意が必要です。前年に凄く儲かっていて、翌年業績が悪い場合は住民税の納税がきつくなるあるいは支払えないなんていう事もよくお聞きします。

 

③消費税

初期は支払義務はない

個人事業を始めたばかりのころは消費税の納税はありません。自分で消費税を支払うという事を選択しない限り納税の義務は生じないのです。

売上高が1,000万円超えた2年後から支払う事になる

個人事業主の場合、売上高(正確には課税売上高)が1,000万円を超えたら消費税の課税事業者となります。

いつから納めるのかというと、課税売上高が1,000万円を超えた2年後からです。

つまり、2018年に売上高が1,000万円を超えた場合には、2020年の確定申告(2021年3月までに提出するもの)で一緒に確定申告書を提出し、消費税も納める事となります。

この消費税の課税事業者というのも永遠ではなく、基準となる期間に売上高が1,000万円を超えていなければ納税義務は生じません。

例でいえば、2018年に売上高が1,000万円を超え、2019年に売上高が800万円のように1,000万円を割ってしまったのであれば納めるのは2020年だけであり、2021年はまた納める必要はありません。

消費税の仕組みは「預かり▲支払い」

消費税は自分が相手から預かった分から自分が支払った分を支払います。

通常であれば50円で仕入れたものを100円で売った場合は下記のような計算になります。

108円(うち税8円)▲54円(うち税4円)=54円の利益(うち税は4円)

つまり、消費税の課税事業者であれば4円を国に納める必要があります。
これが消費税を納めるという事になります。

カンの良い人はお判りかもしれませんが、消費税が始まった頃から指摘されている問題に「益税」があります。納税義務がない人は消費税分を相手からもらっても、納税はしないのですから消費税分がそのまま利益になります。

 

④事業税

当初は事業税も納税することはない

事業税も当初は納める必要はありません。

というのも事業税には「免税点」がありますし、そもそも個人事業を立ち上げたばかりであれば基準となる事業の所得がありませんから、実質的には早くとも個人事業を始めてから2年目以降という事になります。

免税点は年間で290万円。事業による所得が290万円を超えるような場合には事業税が課税される事となります。

住民税と同じように市区町村が計算してくれる

事業税も所得税の確定申告と連動しているため、自分で事業税を計算する必要はありません。

税率は業種によっても異なりますが、税率は3%~5%というところです。

所得税の所得に控除額などを加味して計算されます。

免税点を超えるようであれば市区町村からこちらも納付書が送られてきます。

納付は年2回

事業税の納付は原則として8月、11月の年2回となります。納める方法も納付書で支払いをするほか、口座振替にも対応しています。

事業税は本当に忘れている場合が多いので、特に資金の工面に気を付けておきたいところです。

 

⑤その他

その他の税金として挙げられるのが

というところでしょうか。

これらは住民税や事業税と同様に国ではなく市区町村が課税してきます。

特にコメントしておきたいのが「償却資産税」です。こちらは所得税は確定申告をすることは知っていても、市区町村に償却資産税も1月31日までに申告する事が義務づけられているのを知らない方も多いでしょう。

付属設備や構築物の合計額が150万円以下であれば免税点以下なので税金は生じませんが、150万円を超えている場合には償却資産税がかかります。

申告をしていないと数年後に市区町村から連絡が来て、数年分を一気にさかのぼって納めることになります。
数年分の税金を納めるので資金的にかさみますし、更には通常の税金とは別に「延滞金」という罰則的な利息の税金も支払う事になります。

必ず当初から申告しておくのをおすすめします。

 

まとめ

  • 個人事業主にかかる税金は、所得税・住民税・消費税・事業税償却資産税・固定資産税・自動車税
  • 納税を考慮しないと資金がショートするはめになる
  • 償却資産税は特に申告漏れに注意!

個人事業主にかかる税金というのも意外に多いと思った方も多いでしょう。

売上や経費の支払いだけでなく、税金によるキャッシュアウトにも目を向けていないと思わぬ事態に陥ることもあります。

今後の個人事業ライフに役立てていただければ幸いです。

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