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学生アフィリエイターの税金や社会保険に注意

学生アフィリエイターの税金について

こんにちは。東京都中央区日本橋茅場町の税理士 高橋輝雄(@teruozeimu)です。

ネットビジネスは元手もほとんどかからないため、最近は学生でも多くの方が早くから取り組んでいるようです。いや~若くしてビジネスを始めるのはとても素晴らしい事としか言えません。

私も、たまにもう少し早くからビジネスに取り組んでおけば良かったとも思う次第です(^^;)

特にアフィリエイトはそこまで稼ぐつもりがなかった方であっても、時流をつかむ力があれば大きく収益が発生してしまう事も多いようです。

という事で今回は学生アフィリエイターの税金や社会保険について注意も含めてお伝えしていきますね。

学生アフィリエイターが注意する2つの大きなコト

学生がアフィリエイト収入を得るようになったら、気をつけなければいけないことが大きく2つあります。

  1. 親の所得税・住民税の扶養控除の対象から外れてしまわないか?
  2. 親の社会保険の扶養から外れてしまわないか?

ということです。

この話は前提として自分が親の扶養に入っているという事になります。もしあなたが親の扶養に入っておらず、一人で生活しているようであれば今回の話は特に関係ありません。

単に実家を出て大学などの近くに一人暮らしをしていても仕送りで生活しているような場合は親の扶養に入っている場合がほとんどです。自分が扶養に入っているかどうか不安であれば親に尋ねてみるのが一番手っ取り早いでしょう。

どちらも外れてしまうと税金(所得税・住民税)や社会保険の金額が大きく異なります。

学生アフィリエイターに関連した税金の話

アフィリエイト収入がある=親の扶養から外れるではない

収入がアフィリエイトのみの場合には48万円以下であれば扶養控除の対象となります。

48万円を超えた場合でも必要経費を差し引いた差額(つまり所得)が48万円以下であれば扶養控除の対象となり、税金もかかりません。

というのもアフィリエイターの収入は事業所得または雑所得となり、アフィリエイト収入から必要経費を引いたものが所得となるからです。親の扶養控除の対象かどうかは所得があるかどうかで判定されるという事です。

アフィリエイト以外のバイト収入などがある場合でも、バイト収入55万円までは給与所得控除55万円を差し引くとゼロとなるので、アフィリエイト収入の48万円と合わせても扶養控除の範囲内となります。

扶養控除の対象から外れると親の所得税と住民税が増えてしまう

所得税と住民税では「扶養控除」というものがあります。この扶養控除は所得税を計算する時に引く事ができる金額があります。

扶養控除の額
あなたが16歳~18歳であれば38万円19歳~22歳であれば63万円となります。

親の税金を計算する時にこの金額の有無が生じる事となります。

例として親が年収800万円のサラリーマンであなたが20歳の大学生だった場合の所得税の違いを見てみましょう。なお、給与収入800万円の場合だと給与所得は600万円となります。(2019年4月現在)

扶養控除がある場合

  1. 600万円▲63万円▲48万円(基礎控除)=489万円
  2. 499万円×20%▲427,500円=550,500円(所得税)
  3. 550,500円×2.1%=11,500円(復興特別所得税)

合計562,000円

扶養控除が無くなった場合

  1. 600万円▲48万円(基礎控除)=552万円
  2. 552万円×20%▲427,500円=676,500円(所得税)
  3. 696,500円×2.1%=14,200円(復興特別所得税)

合計690,700円

※例では簡便的に社会保険は0円として計算しています。

結果として所得税が128,700円も違うという結果に!

これはなかなか大きな金額ではないでしょうか?

収入があったのを黙って脱税しようとしてもそれは無理

親にも言わずに黙っていても、確定申告をして所得があるのが分かれば税務署も扶養が外れているのが分かります。そうすると税務署から親の勤める会社に是正(直しなさいという通知)が行くので分かってしまいます。

であればそもそも確定申告しなければ分からないと思うかもしれませんが、それはこちらの記事も読んでいただくとのが良いでしょう。

本当に最悪なパターンは、このようなルートを辿りますよ。

税務調査により脱税発覚→数年分の税金を納める→扶養が外れているのも発覚→親の会社に数年分の所得税の是正通知が行く

このように扶養控除がなくなることは親の収入に大きな影響があると言えますね。

社会保険の扶養の判定は所得税よりも厳しい

続いて社会保険の扶養の話です。こちらは収入が130万円までは親の扶養の対象となります。これ、先ほどの所得税の話と少々違うのが分かりますか?

親の加入している健康保険組合によって判定方法が異なりますが、けっこう社会保険の判定は厳しいです。社会保険ではほとんどの場合、経費という概念は入れずに収入で判定されるようです。

130万円を超えると親の社会保険の扶養から外れるため、国民健康保険に自分で加入するなどの手続きが必要になります。国民健康保険は扶養の概念もなく、一人一人の負担は意外と大きいので自分の収入がどれくらいになるのかを常に確認しておくことが大切です。

自治体により国民健康保険の金額は変わるのですが、少なくともだいたい年間で7万円ぐらいは保険料はかかると思っておいてください。

まとめ

以上のように親の扶養に入りながらの学生アフィリエイターはその影響にも気をつけてくださいね。まぁ、アフィリエイターに限らずですが、扶養から外れる影響というのは知らない事が多いので。

時には親の会社で独自に扶養手当などがある場合には、その辺も考えなければなりません。大企業とかだと月に数万円違ってくることもありますからね。その場合には、家にお金を入れるようにも言われるかもしれませんが(笑)

税金や社会保険の仕組みってホントに支払わせるためにはよくできてるなとつくづく思わされます。

ではでは、あなたのアフィリエイト生活に幸あれ!!

当事務所が確定申告をしたものでなくとも税務調査の立会についてご希望がある場合には立会を実施させていただいております。ぜひともご検討下さい。→税務調査サービス
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