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マイクロ法人と不動産投資|節税効果とリスクを税理士が解説

不動産投資を始めると「法人化した方が節税になるのでは?」と考える方が多くなります。特に最近は「マイクロ法人」という形で、最低限の規模で法人を作り、不動産投資や副業に活用する事例も増えてきました。

しかし、マイクロ法人で不動産投資をすることはメリットばかりではありません。節税効果が出るケースもあれば、逆に維持コストや融資の面で不利になる場合もあります。

この記事では、税理士の視点から「マイクロ法人と不動産投資」の関係を整理し、ケース別の最適解を考えていきます。

不動産投資家がマイクロ法人を作る意味

不動産投資にマイクロ法人を活用する主な目的は次の3点です。

単に個人での不動産投資だけを行っている方の中には自身の作った法人の代表取締役になることで世間体を保っているという方も少なくありません。

法人化による節税効果

不動産所得が増えてくると、個人の所得税率は累進課税で上昇します。

👉 一定の所得水準を超えると、法人化による税率の低下効果が見込めます。

また、法人にすることで「役員報酬」「退職金」「生命保険の活用」など、個人では使えない節税手段が増えます。

金融機関との関係・融資面での注意点

不動産投資で重要なのが「融資」。法人化は必ずしも有利になるわけではありません。

メリット

デメリット

👉 融資戦略を考えずに法人化すると、資金調達が難しくなるリスクがあります。初めて不動産投資をするのに法人を作る場合には必ずと言ってもよいのですが、融資担当者と話を通しておきましょう。

管理・経費計上の実務

法人にすることで計上できる経費の幅が広がります。

税務上認められるもの

認められにくいもの

👉 「実態のある経費かどうか」が重要。形式だけの法人化はリスクです。

とはいえ、個人所得税における不動産所得では”不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区分できるもの”となっていることから、経費の範囲は法人にした方がかなり広くなります。

不動産投資と相性が悪いケース

マイクロ法人は全員に適しているわけではありません。特に次のようなケースは不向きです。

👉 節税額よりコストの方が大きくなってしまうと、逆に損をします。

年収ライン別シミュレーション例(不動産所得)

不動産投資で得られる年間所得を基準に、マイクロ法人化の損得を簡易的にシミュレーションしてみます。

不動産所得 個人課税(目安) 法人課税+維持費(目安) 有利/不利
200万円 所得税・住民税 約25万円 法人均等割7万円+顧問料20万円=27万円 個人有利
500万円 所得税・住民税 約100万円 法人税等約30%=150万円+維持費30万円 個人有利
1,000万円 所得税・住民税 約350万円 法人税等約30%=300万円+維持費30万円 法人有利
2,000万円 所得税・住民税 約800万円 法人税等約30%=600万円+維持費30万円 法人有利

※実際には法人側での役員報酬の設定や経費の内容により結果は変わります。

まとめ:ケースバイケースで判断を

マイクロ法人を使った不動産投資は、節税・社会保険料削減・信用力の向上などメリットがありますが、維持費や融資面でのデメリットもあります。

👉 「節税できる」と安易に飛びつかず、自身の所得・事業計画・融資戦略を踏まえて判断することが大切です。

ご自身のケースでマイクロ法人を作るべきか迷う方は、ぜひ当事務所のスポット相談で税理士にご相談ください

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