今回顧問先の社長からいただいた質問は『家族の給料はいくらにすれば良いの?』という質問でした。
最近は社長もしくは社長と家族だけのマイクロ法人という構成も増えてきました。
ただ、運用を間違えると後々これらの法人も税務調査が発生した時に怖いなと最近のYoutubeのインフルエンサーさんなどの発信を拝見していて思います。
今回の記事で今後の運用の参考になれば幸いです。
家族への給料が経費になる前提
そもそもの話ではありますが、役員に対して給料を支払うというのは「役員として委任されるだけの業務をしている」からこそですよね。
税理士ってやっぱかたいことを言うなぁ。
と思うかもしれませんが、税法は法律であり、税務調査ではそういったかたい部分こそ大切になってくるのであります。
某インフルエンサーの方は「自分で全部もらっているのを妻やお母さんに給料100万円出せばええやん」とか言っておりましたが、税務調査の事まで考えていないのでは?
と私は考えます。
まぁ、売上もそれほどでも無ければ、そもそも法人の税務調査の確率はかなり低くはなるのですけど^^;
大前提を吹き飛ばして数字のお遊びをしていると手痛いしっぺ返しを食らうこともある事は承知しておいて下さいね。
所得税・住民税だけでなく社会保険の事も考えましょう
また、家族に給料を支払う場合には所得税・住民税が発生するかどうかというラインも大事ではありますが、社会保険の扶養の事も考慮しましょう。
社会保険の扶養の適用が外れるのは年収が130万円を超えた場合です。
そうなると健康保険と厚生年金をご家族がそれぞれ自身で支払っていく事となります。
画像は東京都の令和5年の協会けんぽの金額です。
※全然数字が見えませんのでURL置いておきます。
東京都の健康保険・厚生年金保険料
最低でも1.1万円ぐらいは自己負担が発生します。
健康保険は年々上がっているので地味に痛いですね…。
そんなのもろともしないぐらいに利益が出ている場合には、扶養が外れるぐらいに給料を出すのも良いでしょう。
ただ、前項のように業務の実態はよく考えましょう。
もしも社長と奥様の組み合わせならば、奥様に経理的な業務を任せるというのも良いかもしれませんね。
扶養の範囲内で給料を出すとしたら?
もしも所得税も社会保険も発生しないぐらいであれば103万円以下…と言いたいところですが、実はそれだと住民税が少々課税になってしまいます。
ですので住民税も非課税にしたいならば年間の収入は100万円以下としましょう。
単純にきれいな数字ならば月8万円の給料を支払うというのが良いとお答えします。
それで税務調査においても今まで指摘もございませんでしたし、同業の方からでも否認されたという話を聞いたことはありません。
まとめ
所得税が累進課税(所得が大きいほど税率が上がる)である限り、所得分散を考えるのは自然なことでもあります。
無税で出すならば前項のような数字となります。
逆に大きく出すならば業務内容や同業他社なども考える必要はございます。
また、マイクロ法人ではなく組織として機能している法人であれば、他の社員の業績評価などを考慮してもその金額で良いか?などは考えていただければと思います。会社経営に歪みが出ますので。
今後もこういった顧問先様等からの相談事例をもとに記載して参ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。