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税務Q&A:003「飲み代は経費になりますよね?」

今回顧問先の社長からいただいた質問は『飲み屋の領収書は経費になりますよね?』という質問でした。

飲み代=交際費

すべてがこうなるという勘違いは多いですね。

今もあるのかは分かりませんが、ヤフオクやメルカリのようなところでも領収書が売買されていたのを目撃したことがあります。

今日はこういった事も含めて警鐘を鳴らします。

法人税法上の交際費の定義

そもそもですが、法人税法上の交際費の定義を見てみましょう

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

国税庁:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算より

このように、交際費というのは個人の経費と同様にビジネスに関係のある支出でないと交際費とならないのです。

この時点でドキッとする社長さんも多いのではないでしょうか?

また、交際費とするには条件があるのもご存知でしょうか?

  1.  飲食等のあった年月日
  2.  飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
  3. 飲食等に参加した者の数
  4.  その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
  5.  その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

私は顧問先様にはよく「レシートや領収書の裏にでも良いので取引先や参加者のメモをお願いします」と説明しております。

ほとんどの顧問先様は実践していただいており、私もあんしんして見ております^^

社長の「ひとり飲み」は経費ではない

前述を受けて。

社長のひとり飲みというのは経費になりません。

夜のお姉さん方との支出も取引先の接待などで無ければ経費にはなりません。
社長が好きで足繁く通っていてもダメなのです。

似たようなものでひとりでのお昼ご飯なんかも本来経費になりません。

理由としては前述の通り、単なるひとりのお昼ごはんは接待等に該当しませんからね^^;
従業員なんかとのお昼は会議費や福利厚生費として落ちる事もありますし、その旨もさきほどの国税庁の交際費のページに記載されております。

重加算税や役員賞与の対象にもなり得る

税務調査で交際費が否認(経費として認められない)となった場合には2つのパターンが考えられます

  • 経費ではなく社長の貸付金として処理される
  • 社長の役員賞与として処理される

単に法人の経費で無くなるだけでなく、社長の役員賞与とされた場合には社長の収入も上がります。ですので法人税等が増加し、さらに社長の所得税・住民税も増加するという事が起こります。

どうでも良い話ですが、昔から法人で否認されて個人の所得税が上がるパターンの事を往復ビンタとかダブルパンチなどど税理士業界では呼ばれています^^;

また、時として単純に税金が増加するだけでなく、悪質と判定された場合には「重加算税」というやや重めの罰金もかかります。

重加算税のやっかいなところは金額もそうですが、今後税務調査の対象として挙がりやすい事となります。私も経験があるのですが、一度重加算税などを受けてしまいまして、きっちり3年毎に税務調査が来る会社様もあります。

まとめ

交際費も個人・法人ともにビジネスにおける必要経費だから経費になります。

今回のお話を受けて経費計上する上でもやや精査が必要だと感じていただけたら幸いです。

無理に経費にして後の税務調査で公開するか?それとも胸を張って税務調査に臨むことができるようにするか?

あなたはどちらを選びますか?

 

今後もこういった顧問先様等からの相談事例をもとに記載して参ります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ABOUT US
高橋 輝雄
税理士・FP・元SE。アフィリエイトなどのネットマネタイズも日々研究し、HP・ブログ運営も自らの手で行っている。また、「税務のことをいかに一般の人に分かりやすく伝えるか?」という事を大事にしている。個人事業主と中小企業の顧問や税務調査立会に定評がある。情に厚く大変涙もろい。