ひとり会社・個人事業主の節税|ぜったいやるべき2つの節税対策

こんにちは。東京都中央区日本橋茅場町の税理士 高橋輝雄(@teruozeimu)です。

「税金」

税理士が言うのもアレですが(笑)できれば払いたくないものですよね。法人税に消費税、所得税、住民税・・「どれだけ税金払わされるんだ!?税金払いたくない!!」と思う気持ち、わかります。

先日、新規でひとり会社の社長様と面談させて頂きました。その会社様は5期が終わり、6期目から税理士を顧問として探されていたとのことで弊社に面談にいらっしゃいました。今後の顧問税理士として、節税についていくつかご提案させて頂きましたが「その節税策もっと早く知りたかった・・・」とおっしゃっていました。

「自分にとって最適な節税対策をし、税金を減らし、自分や家族の為にお金を残す

今回はひとり会社の社長や個人事業主の節税としてまずはぜったいやっておくべき所得税の「お金を残し、納税を減らす節税対策」について解説してきます!

節税とは?

税金の図

節税とは、法律の範囲内で納税の負担を減らすことを言います。

一般的によく知られている節税としては「ふるさと納税」や「医療費控除」「住宅ローン減税」などは皆さんよくご存知かもしれません。

「節税」と言っても所得税や住民税の節税、法人税(と法人住民税)の節税などさまざまな税金に対しての対策が存在します。

今回は、私も実際に加入している「ひとり会社の社長」や「個人事業主」がぜったいに入っておくべき所得税の節税対策2つをご紹介します。

  1. 小規模企業共済
  2. iDeCo(個人型確定拠出年金)

 

小規模企業共済

まず、ぜったいに入っておくべき1つ目は「小規模企業共済」です。この制度は「節税しながら積立ができる」退職金制度です。

メリット(節税効果)

「所得税」「住民税」の節税

払い込んだ掛け金は全額所得控除の対象となります。その結果、所得税・住民税の負担が減ります。

掛け金は月額1,000円~70,000円で自由に設定できるので、もし月70,000円で掛けると、最大年間84万円の所得控除が受けられます。

 

「共済金受取時」の節税

共済金を退職金として、一括で受け取る際には退職所得扱いになります。

退職所得なので、共済金にかかる所得税等を計算の際に「共済金額から退職所得控除額を差し引くことができる」という税金上の特典が使えるわけです。

年金として、分割で受け取る際には、雑所得扱いになります。

公的年金等の雑所得であれば、共済金にかかる所得税等を計算の際には、「共済金額から公的年金等控除額を差し引くことができる」という税金上の特典が使えることになります。

 

「相続税」の節税

契約者が亡くなり、遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金という)相続税法上はみなし相続財産として課税対象になりますが「500万円✖法定相続人」の金額まで非課税になります。

この非課税枠は生命保険金とは別枠として計算できるため、生命保険金小規模企業共済の両方に加入しておくと、ダブルで非課税枠が使えます。相続対策としては非常に有効です。

ただし、死亡保険金の受取人が指定できる生命保険と違い、小規模企業共済の死亡時共済金は受取人を指定できません。受給権順位第1位は配偶者(内縁関係者を含む)で次に子供などの扶養家族が受け取れることになります。

 

デメリット

デメリットの図

①引き落としは個人口座

小規模企業共済は個人として掛けるため、掛け金は個人口座からの引き落としになります。

退職金的な役割が強いため、会社の経費として勘違いされがちですが、引き落としは個人の口座からになるので注意が必要です。

 

②「12か月未満で任意解約」した場合は「掛け捨て」

12ヶ月未満での任意解約は掛金が一切戻ってきません。

 

③「20年未満で任意解約」した場合は「元本割れ」

納付年数が20年未満で解約した場合は、支払った掛金合計よりも少ない金額しか受け取る事ができません。

ただしこれは「任意で解約」すると元本割れになるので、廃業加入者の死亡該当しません

 

加入資格

簡単に説明致しますと、常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業では、5人以下)の個人事業主または会社役員が加入できます。

 

掛け金

月額1,000円~70,000円の範囲(500円単位)で自由に選択できます。

ただし、掛け金を減額する際には一定の要件(著しい売上減少や、疾病、負傷など)がありますので個人的な意見としましては、最初は低め掛け金を設定し、事業が軌道にのりある程度安定したら金額を上げるのがいいと思います。

 

納付方法

払い、半年払い、払いから選択できます。

 

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoと前述の小規模企業共済は、併用出来ます

実際に私も併用しています。この2つは似ているのですが、併用することでより高い節税効果を得ることが出来ます。

小規模企業共済は退職金制度であり、iDeCoは国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せして、個人が任意で加入できる私的年金制度です。

メリット

「所得税」「住民税」の節税

掛け金は全額、所得控除になります。その結果、所得税・住民税の負担が減ります。

例えば、ひとり会社の社長の掛け金は月額5,000円~23,000円で、年間最大276,000円の所得控除を受けることができます。

個人事業主の掛け金は、月額5,000円~68,000円で、年間最大816,000円の所得控除ができます。

 

②運用益は非課税

iDeCo口座内の売買で得られた売却益や配当(分配)の他、定期預金の利息は全額非課税(通常は税率20.315%)になります。

運用益に対する非課税措置という面ではNISA(少額投資非課税制度)と共通していますが、NISAの方は預金を対象外としているのに対し、iDeCoでは預金の利息も非課税になります。

 

「受取時」の節税

 iDeCoで積み立てた資金を一時金として受け取る場合は退職所得控除になり、1,500万円まで非課税になります年金として受け取る場合は公的年金控除を使うことができます。

受取方法は60歳以降、実際に受け取る際に決めればよいので、加入の際に決めていなくても大丈夫です。

 

デメリット

原則60歳まで引き出せない

iDeCoは年金的な役割としての積立であるので原則60歳まで積立金や運用益を引き出せません

60歳までに大きな出費予定や、それに備えた貯蓄がない場合、加入はやめておいた方がよいと言えます。

②元本割れのリスクあり

iDeCoは運用する金融商品を自分で選びます。どの商品を選ぶかは個人に委ねられており、利益を出せるか元本割れしてしまうかは商品選びによるところが大きいと言えます。

私もそうでしたがどの商品を選べばいいかわからない場合は、プロにアドバイスを受けるのがよいですね。

③維持費や手数料がかかる

加入の手数料口座管理の手数料が必要になります。

銀行やネット証券会社によって手数料は異なってきますがおおむね、1年目は5,000円~10,000円。2年目以降は年間2,000円~7,000円くらい掛かってしまいます。

ちなみに私は楽天証券で開設しました。

④受取時に課税される場合がある

iDeCoの受取は以下の3つの方法があります。

  1. 「一時金」として受け取る
  2. 「年金」として受け取る
  3. 「一時金」と「年金」を併用して受け取る

 

では「どれを選べば一番納税が少なくて済むか?」

少し複雑なので簡単に説明しますと、

●年金・・・老齢基礎年金や老齢厚生年金などの他の公的年金等を一緒に受け取った合計額が「公的年金等控除額」を超える金額が税金の対象

●一時金・・・退職金など退職所得に該当するものがあり「退職所得控除額」を超える金額が税金の対象

となりますので、実際に受け取る際に「自分の年金がいくらなのか?」「退職金がいくらなのか?」を加味した上で判断することがベストであると言えます。

 

加入条件

加入できる最低条件は以下の3つです。

  • 日本に住んでいる
  • 20歳以上60歳未満である
  • 国民年金保険料を納めている

 

以下のiDeCoの公式サイトでは加入条件に当てはまるか簡単にチェック出来ますので、よろしければご利用ください。イデコをはじめるまでの5つのステップ|iDeCo公式サイト

 

掛け金

iDeCoの掛け金は、月額5,000円~(1,000円単位で)設定できます。

ひとり会社の社長であれば企業年金の有無に左右されますが月額5,000円~23,000円で、年間最大276,000円

個人事業主の掛け金は、月額5,000円~68,000円で、年間最大816,000円

掛けられ全額、所得控除の対象になります。

ただし、掛け金を決める際には原則60歳まで引き出せないことを考慮した上で、掛け金を決めましょう。

 

【例外】60歳以前でも受け取れる場合

原則60歳まで引き出せないiDeCoですが、条件によって60歳未満の受取が認められている場合があります。

それは「障害給付金」「死亡一時金」「脱退一時金」の3つの場合です。

障害給付金

加入者が70歳到達前に障害状態になってしまった場合、障害給付金として受給できます。

死亡一時金

加入者が亡くなった場合、死亡一時金として遺族が受給できます。iDeCoを利用していた機関に連絡し、必要書類(死亡届や死亡診断書)を提出し、指定された受取人に支給されます。

脱退一時金

脱退一時金として受給するためには以下の5つの要件すべてを満たした場合に限ります。

  1. 国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている方
  2. 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
  3. 通算拠出期間が3年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
  4. 最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
  5. 企業型確定拠出年金の資格喪失の際に脱退一時金を受給していないこと

 

まとめ

  • 小規模企業共済・iDeCoは、節税しながら積立ができる制度
  • 「所得税」「住民税」「相続税」の節税になる
  • 掛け捨てや元本割れ、引き出し可能年齢などのデメリットを理解しておく
  • 最初は少額で掛け、事業が軌道にのってきたら金額を上げるとよい

 

今回はひとり会社の社長と個人事業主の、絶対にやるべき所得税の節税対策をご紹介しました。

今回ご紹介した2つは実際に私も加入していて、オススメできる節税対策です。

自分や家族のために積立をしながら、納税額が減らせるのです。ただし引き出しには年齢などの要件もありますので、掛け金額には注意しましょう!

ぜひ、検討してみてくださいね。

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ABOUT US

高橋 輝雄
税理士・FP・元SE。アフィリエイトなどのネットマネタイズも日々研究し、HP・ブログ運営も自らの手で行っている。また、「税務のことをいかに一般の人に分かりやすく伝えるか?」という事を大事にしている。個人事業主と中小企業の顧問や税務調査立会に定評がある。情に厚く大変涙もろい。