こんにちは。中央区茅場町の税理士、高橋輝雄です。
今回は、「会社設立前に確認すべき8つのポイント」についてまとめます。
会社設立は、単に登記をして終わりではありません。
個人事業のまま始めるべきか、法人にすべきか、創業融資をどう考えるか、誰を役員や株主にするかなど、設立前に整理しておいた方がよいことがいくつもあります。
実際、会社設立後に「先に知っておけばよかった」と感じる方も少なくありません。
この記事では、会社設立前に確認しておきたい実務上のポイントを8つに整理して解説します。
この記事で分かること
- 個人事業と法人のどちらで始めるべきか
- 創業時の融資をどう考えるか
- 資本金・株主・役員を決めるときの注意点
- 役員報酬や事業計画の考え方
- 法人口座や固定費など、設立後に困りやすい実務ポイント
目次
1.個人事業主で始めるか、法人を設立するか
これから事業を始める場合、最初から法人を作るべきとは限りません。
法人にすると、対外的な信用が高まりやすく、役員報酬や法人社宅などを含めた設計がしやすくなる一方で、社会保険への加入や決算・申告の負担など、個人事業にはなかった論点も増えます。
たとえば法人のメリットとしては、次のようなものがあります。
- 役員報酬や法人社宅などを含めて、手残りの設計がしやすい
- 個人事業主よりも対外的な信用を得やすいことがある
- 取引先によっては法人の方が取引しやすい場合がある
一方で、デメリットとしては次のような点があります。
- 定款作成や登記など、設立時の手続きが必要になる
- 原則として社会保険への加入が必要になる
- 赤字でも法人住民税の均等割が発生する
- 個人事業より事務負担が増えやすい
「とりあえず会社を作る」ではなく、売上見込み、利益水準、今後の採用予定、手残り、事業の見せ方などを踏まえて判断することが大切です。
法人成りを含めて整理したい方は、法人成り・会社設立のご相談ページもご覧ください。
2.創業時に融資を受けるかどうか
会社設立時に、創業融資を受けるかどうかは非常に重要です。
結論としては、設立時に十分すぎる自己資金がある場合を除き、創業時の融資は前向きに検討した方がよいと考えています。
理由は、創業時には日本政策金融公庫などの創業向け制度を使いやすい一方で、設立後しばらくしてから資金が苦しくなって融資を申し込むと、1期目の決算内容によっては借りにくくなることがあるからです。
たとえば、
- 設立時は自己資金だけで何とか始めた
- 1期目は赤字または利益が薄い
- その後で資金繰りが厳しくなり融資を申し込む
という流れだと、創業時よりも融資判断が厳しくなることがあります。
創業時の融資は、「お金が足りないから借りる」というより、資金繰りを安定させるための防御策として考えることが大切です。
3.資本金と出資メンバーをどうするか
会社設立時には、資本金の金額だけでなく、誰が出資するかも重要です。
創業時は一緒に始めたメンバーでも、会社が成長する中で考え方の違いが出ることがあります。
その時、相手が株主になっていると、経営上の整理が難しくなることがあります。
特に、後から株式を買い取る場面では、設立時の金額ではなく、買い取り時点の評価が問題になることもあります。
可能であれば、最初はシンプルな資本構成にした方が後々のトラブルを防ぎやすいです。
他の人から資金を入れてもらう場合も、資本金にするのか、借入にするのかは慎重に考えたいところです。
4.役員と役員報酬の決め方
会社設立時に、誰を役員にするか、役員報酬をどう設定するかも大切な論点です。
役員は、単なる肩書きではなく、経営に関与する立場です。
そのため、安易に役員を増やすと、後から経営の意思決定がしにくくなることがあります。
また、役員報酬は税務上も重要です。
役員報酬は従業員給与のように自由に増減できるものではなく、事業年度の途中で変更しにくいルールがあります。
だからこそ、会社設立時の役員報酬は、
- 個人の生活費
- 法人に残したいお金
- 社会保険料
- 将来の利益見込み
などを踏まえて設計することが重要です。
ここは後から「最初に整理しておけばよかった」となりやすいポイントの一つです。
5.事業計画を作っておく
会社設立前後は、事業計画を作ることがとても大切です。
特に、創業融資を考える場合は、事業計画が重要になります。
創業時は決算書がないため、金融機関は事業計画の内容をかなり重視します。
事業計画というと大げさに感じるかもしれませんが、最低限でも
- 何を売るのか
- 誰に売るのか
- どうやって集客するのか
- 毎月どれくらい売上が立ちそうか
- 固定費はいくらかかるか
といったことは整理しておきたいです。
融資のためだけではなく、設立後の資金繰りや意思決定にも役立ちます。
6.法人口座や設立後の実務も見据えておく
会社設立後は、登記が終わればすぐに何でも進むわけではありません。
最近は、法人口座の開設でつまずくケースもあります。
特に新設法人や合同会社は、金融機関から慎重に見られることがあります。
そのため、設立前の段階から、
- 事業内容をどう説明するか
- 事業計画をどう見せるか
- ホームページや事務所の実在性をどう整えるか
といった視点も大事です。
法人口座について不安がある方は、新設法人が法人口座を開設できない理由|断られやすい会社の共通点と対策も参考になります。
7.固定費や立地を慎重に決める
事務所や店舗の立地は、業種によって非常に重要です。
飲食業や来店型のビジネスであれば立地は売上に直結しますし、そうでない業種でも、固定費が重すぎると資金繰りを圧迫します。
特に設立直後は、売上がまだ安定しないことも多いため、最初から固定費を上げすぎないことが大切です。
場所、広さ、賃料、必要性を冷静に見て、無理のない形で始める方が安全です。
8.設立後の3年をどう乗り切るかを考える
会社設立はスタートであって、ゴールではありません。
実際には、設立後の数年間をどう乗り切るかがとても重要です。
売上が安定するまでの間に、資金繰り、税務、社会保険、役員報酬、経理体制など、考えることはたくさんあります。
だからこそ、設立時点から「設立後に誰に相談するか」まで含めて考えておくと安心です。
設立だけで終わるのではなく、その後の税務顧問やお金の流れまで見据えて相談できる体制があると、社長の負担はかなり軽くなります。
まとめ|会社設立前に、後から困りやすいポイントを整理しておくことが大切です
会社設立前に確認しておきたいポイントは、登記のことだけではありません。
- 個人事業か法人か
- 創業融資をどう考えるか
- 資本金や出資メンバーをどうするか
- 役員と役員報酬をどう決めるか
- 事業計画をどう作るか
- 法人口座や設立後の実務をどう見据えるか
- 固定費や立地をどう考えるか
- 設立後の数年をどう乗り切るか
こうした点を設立前に整理しておくことで、設立後の不安やトラブルをかなり減らしやすくなります。
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