税務顧問で毎月何をしてもらえるのでしょうか。
ひとり社長・小規模法人の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
税務顧問というと、決算書の作成や法人税・消費税の申告を
イメージされるかもしれません。
もちろん、正しく申告することは重要です。
しかし、毎月の税務顧問で大切なのは、
申告のために数字を作ることだけではありません。
売上・利益・現預金・納税予定・役員報酬・借入返済などを確認し、
社長が早めに判断できる状態をつくること
も重要です。
この記事では、
税務顧問で毎月何を確認するのか、
ひとり社長が見るべき数字や相談できる内容、
年1回の決算申告との違いまで分かりやすく解説します。
この記事について
本記事は、ひとり社長・小規模法人向けに、
税務顧問で確認することが多い内容を整理したものです。
実際の対応範囲や頻度は、会社の状況・契約内容・経理体制によって異なります。
税務顧問で毎月何をしてもらえる?
税務顧問の基本は、
日々の会計処理を整え、
法人税・消費税などの申告を適正に行うことです。
ただ、ひとり社長の場合は、
経理担当者・財務担当者・経営企画担当者がいないことも多くあります。
その場合、社長自身が、
- 売上
- 利益
- 税金
- 資金繰り
- 借入
- 役員報酬
などをまとめて判断しなければなりません。
そのため、
税務顧問で毎月数字を見る目的は、
単に「会計処理が終わったか」を確認することではありません。
毎月の数字を見ながら、
- 今期の利益はどこに着地しそうか
- 税金はいくらくらいになりそうか
- 現預金は十分にあるか
- 役員報酬は適切か
- 借入返済は重くないか
- 何か早めに対応すべきことはないか
を整理し、
社長の意思決定につなげることが大切です。
税務顧問の価値は「申告すること」だけではありません。
毎月の数字を確認し、
納税資金・役員報酬・資金繰り・借入返済・節税判断などを
早めに整理できることにも意味があります。
税務顧問で毎月確認したい6つの数字
税務顧問を活用するなら、
毎月の試算表を「申告のための資料」で終わらせず、
経営判断に使うことが大切です。
特に、会社と社長にお金を残すという視点では、
次の6つを確認しておきたいところです。
1.売上と粗利益
最初に確認したいのは、売上と粗利益です。
売上が増えていても、
粗利益が減っていれば会社にお金は残りにくくなります。
例えば、
売上が20%伸びても、
外注費や仕入が30%増えていれば、
利益率が低下している可能性があります。
そのため、
- 売上高
- 粗利益
- 粗利益率
- 商品別・サービス別の採算
- 顧客別・案件別の採算
まで確認できると、
売上の伸びが本当に会社の利益につながっているかが見えてきます。
2.営業利益・経常利益
次に、本業で利益が出ているかを確認します。
役員報酬、人件費、家賃、外注費、広告費などを含めて、
固定費が重くなっていないかを見ることが重要です。
特に売上が伸びている会社ほど、
人員・オフィス・広告などへの投資が増えやすくなります。
「売上は増えているのに利益率が下がっている」
という場合は、
固定費や粗利構造を確認する必要があります。
3.現預金残高
利益が出ていても、
現預金が増えていなければ安心はできません。
現預金は、会社の体力ともいえる数字です。
例えば、
- 月商に対して何か月分の現預金があるか
- 今後の納税をしても十分に残るか
- 借入返済後も余裕があるか
- 予定している投資をしても大丈夫か
といった視点で確認します。
利益と現金が一致しない理由については、
「利益は出ているのに現金が残らない7つの理由」
も参考にしてください。
4.納税予定
法人税、消費税、源泉所得税など、
税金は一定のタイミングでまとまった支払いが発生します。
決算が終わってから税額を知るのではなく、
月次の段階から、
「今の利益なら、どの程度の納税になりそうか」
を確認しておくことが大切です。
納税見込みが早めに分かれば、
必要な現金を確保しておくことができます。
5.役員報酬
役員報酬は、
法人税だけを見て決めるものではありません。
役員報酬を増やせば会社の利益は減りますが、
社長個人側では、
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料
などが増える可能性があります。
さらに、社長個人の生活費や将来の資産形成もあります。
そのため、
会社と社長個人の手残りを一体で考えること
が重要です。
6.借入返済・売掛金
借入返済は、
損益計算書上の経費にはなりません。
そのため利益だけを見ていると、
返済による現金流出を見落としやすくなります。
また、売上が立っていても、
売掛金の入金が遅ければ現金は増えません。
そこで、
- 借入残高
- 毎月の返済額
- 売掛金残高
- 入金サイト
- 回収の遅れている売掛金
も確認します。
税務顧問で毎月相談できること
税務顧問では、
会計処理や税務申告だけでなく、
毎月の数字をもとにした相談も重要です。
| 相談内容 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 会計処理・経費判断 | 経費になるか、資産計上すべきか、役員個人との区分をどうするかなどを整理します。 |
| 節税判断 | 税金が減るかだけではなく、実際に会社へ現金が残るかまで確認します。 |
| 役員報酬 | 会社利益、個人の生活費、所得税、住民税、社会保険料などを踏まえて検討します。 |
| 消費税・インボイス | 消費税の納税見込み、課税方式、インボイス対応、納税資金などを確認します。 |
| 資金繰り・納税資金 | 数か月先の現預金、借入返済、納税予定などを確認します。 |
| 経理体制 | クラウド会計、領収書、請求書、口座・カード連携などの経理フローを整えます。 |
ただし、
どこまで対応するかは税理士事務所や顧問契約の内容によって異なります。
契約前には、
「毎月どこまで相談できるのか」
を確認しておくとよいでしょう。
税務顧問で毎月数字を見るメリット|年1回申告との違い
年1回の決算申告だけでも、
法人税申告を行うことはできます。
しかし、
決算が近づいてから初めて数字を整理すると、
社長が事前に判断できる余地は少なくなります。
納税額を早めに予測できる
決算後に税額を知ると、
納税資金の準備が後手に回る可能性があります。
毎月利益を確認していれば、
決算前からある程度の納税見込みを把握できます。
役員報酬を考える材料が増える
役員報酬は、
会社と社長個人の手残りに大きく影響します。
翌期開始後に慌てて考えるのではなく、
決算前から利益や現預金を確認しておけば、
次期の役員報酬を検討しやすくなります。
利益と現預金のズレに早く気づける
利益は出ているのに預金が増えない原因には、
- 売掛金
- 借入返済
- 納税
- 設備投資
- 在庫
などがあります。
月次で数字を確認することで、
現金が減っている原因を早い段階で発見しやすくなります。
資金繰りの対応を早められる
資金が不足してから融資を考えるよりも、
事前に不足する時期が分かっていた方が選択肢は増えます。
そのため、
税務顧問で毎月数字を確認することは、
将来の資金繰りを考えるきっかけにもなります。
未来の現預金を把握する方法については、
「中小企業が資金繰り表を毎月作るべき理由」
でも詳しく解説しています。
税務顧問が向いている会社
次のような会社は、
単発相談だけではなく、
継続的な税務顧問を検討する価値があります。
- 法人化しており、毎月の経理を継続的に整えたい
- 決算・納税の見通しを早めに把握したい
- 役員報酬や節税を場当たり的に決めたくない
- 利益と現預金のズレを毎月確認したい
- 法人成り後の経理体制を整えたい
- 資金繰りや銀行融資についても相談したい
まずはスポット相談でもよい会社
一方で、
すべての会社が最初から顧問契約を結ぶ必要はありません。
例えば、
- 一度だけ法人成りについて相談したい
- 役員報酬の方向性を確認したい
- 現在の税理士以外の意見も聞きたい
- 決算書や試算表を一度だけ確認してほしい
- 継続支援が必要か、まず整理したい
という場合は、
スポット相談から始める方法もあります。
当事務所が税務顧問で大切にしていること
高橋輝雄税務会計事務所では、
税務申告だけではなく、
会社と社長にお金を残す「現預金最大化」
の視点を大切にしています。
税金を減らすこと自体が目的ではありません。
会社に必要な現預金を残し、
社長が安心して次の一手を打てる状態をつくることが重要です。
申告のためだけでなく「判断のための数字」へ
月次の数字を、
売上や利益の確認だけで終わらせず、
- 役員報酬
- 納税
- 資金繰り
- 借入
- 投資
などの判断に使える形へ整理します。
会社と社長個人の手残りを一体で見る
法人税だけではなく、
所得税、住民税、社会保険料、
そして社長個人の生活資金なども関係します。
そのため、
会社側だけではなく、
会社と社長個人の現預金を一体で考える
ことを大切にしています。
納税資金と資金繰りを早めに確認する
決算後に慌てるのではなく、
月次の段階から納税見込みと現預金を確認します。
今後大きな納税や借入返済があるのであれば、
早い段階で把握しておく方が経営判断をしやすくなります。
現預金最大化の考え方については、
「現預金最大化とは?会社と社長にお金を残す6つの経営戦略」
もご覧ください。
税務顧問の月次対応イメージ
実際の流れは会社の経理体制や契約内容によって異なりますが、
税務顧問で毎月数字を整える場合は、
おおむね次のような流れになります。
STEP1.資料共有・会計データの確認
通帳、クレジットカード、請求書、領収書、給与データなどを確認し、
会計処理を進めます。
freeeなどのクラウド会計を活用することで、
資料共有の負担を減らすこともできます。
STEP2.月次試算表の確認
売上、利益、固定費、現預金、借入金、未払金、売掛金などを確認し、
前月や前年との変化を見ます。
STEP3.相談事項の整理
納税見込み、役員報酬、節税、
資金繰り、経理体制、融資など、
社長が判断すべきテーマを整理します。
STEP4.次に見るべき数字を決める
今月だけではなく、
数か月先に注意すべき、
- 納税
- 借入返済
- 投資
- 賞与
- 売掛金の入金
などを確認し、
次の経営判断につなげます。
税務顧問・スポット相談の料金
高橋輝雄税務会計事務所では、
ひとり社長・小規模法人を中心に、
税務顧問、法人成り、役員報酬、
資金繰りなどの相談に対応しています。
| サービス | 料金目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 税務顧問 | 月額33,000円(税込)~ | 法人税・消費税申告、月次経理、役員報酬、節税、納税資金、経理体制などを継続的に支援 |
| スポット相談 | 60分33,000円(税込) | 顧問契約前の状況整理、法人成り、役員報酬、納税資金、資金繰りなどを単発相談 |
よくある質問
Q.税務顧問で毎月面談する必要がありますか?
必ずしも毎月対面・オンライン面談を行う必要があるわけではありません。
会社の規模や経理体制によって、
チャットやメールで確認し、
必要なタイミングで面談するケースもあります。
大切なのは、
決算直前だけではなく、
月次で数字を確認できる状態をつくることです。
Q.まだ売上が小さい法人でも税務顧問は必要ですか?
必ずしも最初から顧問契約が必要とは限りません。
ただし法人化直後は、
役員報酬、社会保険、消費税、経理体制など、
判断すべきことが多くあります。
必要に応じて、
まずスポット相談で状況を整理する方法もあります。
Q.税務顧問とスポット相談の違いは何ですか?
税務顧問は、
毎月の経理・税務申告・相談を継続的に行うサービスです。
スポット相談は、
特定のテーマについて60分で整理する単発相談です。
継続的に数字を見たい場合は税務顧問、
まず一度だけ相談したい場合はスポット相談が向いています。
Q.資金繰りや銀行融資も相談できますか?
はい。
税務顧問の中でも、
試算表や決算書をもとに、
資金繰り、納税資金、借入返済、
融資に関する初期相談などを行うことがあります。
予算管理、KPI、将来キャッシュフロー、
投資判断など、
より踏み込んだ財務支援が必要な場合は、
戦略的財務診断や社外CFOサービスをご案内することもあります。
Q.freeeなどのクラウド会計にも対応していますか?
はい。
freeeなどのクラウド会計を活用した
経理体制の整備にも対応しています。
口座・カード連携、資料共有、月次確認などを整え、
社長が経理作業に追われすぎない状態を目指します。
まとめ|税務顧問で毎月数字を確認し、早めに判断する
税務顧問は、
決算書を作って税務申告をするだけのサービスではありません。
税務顧問で毎月
売上・利益・現預金・納税・役員報酬・借入などを確認することで、
会社の状況を早めに把握できます。
特にひとり社長の場合、
社長自身が営業・経営・採用・資金繰りなど、
多くの判断を行わなければなりません。
だからこそ、
月次の数字を単なる「過去の結果」ではなく、
次の経営判断をするための材料
として使うことが大切です。
税務顧問を検討するときは、
料金だけではなく、
「毎月どこまで数字を見て、何を相談できるのか」
も確認してみてください。
ひとり社長・小規模法人の方へ
毎月の税務と数字を継続的に整理したい方へ
税務顧問で毎月数字を確認しながら、
税務申告だけでなく、役員報酬・納税資金・資金繰りなども
早めに整理していきます。
※本記事は一般的な内容を解説したものです。
個別の税務判断や税務顧問の対応範囲は、
会社の状況・契約内容等によって異なります。
具体的な判断は、決算書・試算表・通帳・請求書・借入状況等を確認したうえで行います。














