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銀行が嫌う勘定科目とは?融資で不利になる決算書の共通点

銀行が嫌う勘定科目とは?融資で不利になる決算書の共通点

「利益は出ているのに、なぜか銀行の反応が鈍い……」

その原因は、売上や利益の額そのものではなく、決算書の中にある“嫌われる勘定科目”かもしれません。

銀行融資では、損益計算書(P/L)の利益だけでなく、貸借対照表(B/S)の中身がかなり細かく見られています。特に、銀行が「この会社はお金の管理が甘いのではないか」と感じる勘定科目があると、それだけで融資審査が不利になることがあります。

今回は、銀行が嫌う代表的な勘定科目と、融資で不利になる決算書の共通点を整理して解説します。

なぜ銀行は「勘定科目」を細かく見るのか

銀行が見ているのは、単に「黒字か赤字か」ではありません。

本当に見たいのは、この会社に貸したお金が安全に返ってくるかどうかです。

そのため、銀行は決算書の勘定科目から、会社のお金の流れ、管理体制、経営者の姿勢まで読み取ろうとします。

つまり、勘定科目はただの会計処理ではなく、会社の財務体質を映すサインなのです。

銀行が嫌う勘定科目① 役員貸付金

銀行がもっとも嫌う勘定科目の一つが、役員貸付金です。

役員貸付金があると、銀行からは「会社のお金が社長個人に流れている」ように見えます。たとえ一時的な処理であっても、外部から見れば、お金の区分が曖昧な会社という印象を与えやすくなります。

  • 会社と個人のお金が分離できていないように見える
  • 融資資金が事業以外に流れる懸念を持たれやすい
  • 管理の甘い会社と判断されやすい

特に毎期残っている場合は、一時的なミスではなく体質的な問題と見られやすくなります。

役員貸付金を解消する方法はこちら

銀行が嫌う勘定科目② 仮払金

仮払金も、銀行が警戒しやすい勘定科目です。

仮払金そのものが悪いわけではありませんが、長期間残っていたり、内容が説明できなかったりすると、「使途不明金」のように見られます。

  • 何に使ったお金なのかが不明確
  • 精算すべきものが放置されている
  • 経理処理が雑な会社に見える

銀行からすれば、意味のわからない資産が決算書に残っている状態です。これでは、財務の透明性が低いと判断されやすくなります。

もしも使途不明金が税務調査で指摘された場合には、原則として全額が損金(経費)として認められず、税金計算対象(課税対象)となります。経費として計上していても否認されて、追加の税金が発生しますので避けたいところです。

銀行が嫌う勘定科目③ 滞留売掛金

売掛金は通常の勘定科目ですが、銀行が嫌うのは長期間回収できていない滞留売掛金です。

売上が立っていても、実際に回収できていなければ、現金として使えません。決算申告時の勘定科目内訳書を数年並べてたりしながら、銀行はそこをかなり冷静に見ています。

  • 回収不能の可能性がある
  • 実態より資産が多く見えている
  • 資金繰りの悪化要因になりやすい

つまり、売掛金の残高そのものではなく、中身がきれいかどうかが重要です。

銀行が嫌う勘定科目④ 動かない在庫

在庫もまた、銀行がかなり注意して見る勘定科目です。

決算書上は資産でも、長期間動いていない在庫は、銀行からすると「本当に価値があるのか疑わしい資産」です。

  • 売れる見込みの薄い在庫が多い
  • 過剰在庫で資金が寝ている
  • 現金化しにくい資産が膨らんでいる

利益が出ていても、在庫に資金が詰まっていると、現預金は増えにくくなります。銀行はこの点もよく見ています。

自社の業界における在庫の回転率を把握しておくのも良いかもしれませんね。その上で自社がかけ離れていないかなどの視点も必要です。

銀行が嫌う勘定科目⑤ 回収見込みの薄い貸付金・立替金

役員貸付金以外にも、関連会社や知人先などへの貸付金、あるいは不透明な立替金があると、銀行の印象は悪くなります。

なぜなら、これらは事業に直接必要なお金ではなく、返ってくるかわからない資金流出に見えるからです。

  • 資産の質が悪く見える
  • 本業と関係のないお金の流れに見える
  • 融資資金の管理に不安を持たれやすい

銀行は、事業に必要なお金がきちんと本業に使われているかを重視しています。

銀行が嫌う決算書に共通すること

ここまで見てきた勘定科目に共通するのは、単に数字が悪いというより、お金の流れがわかりにくいことです。

つまり、銀行が嫌う決算書には次のような共通点があります。

  1. 会社と個人のお金の区分が曖昧
  2. 資産の中身が不透明
  3. 現金化しにくい資産が多い
  4. 説明が難しい科目が残っている

銀行は、利益が出ているかどうか以上に決算書の数字を信用してよいかを見ています。

銀行に評価される決算書にするには

では、どうすれば銀行に嫌われにくい決算書になるのでしょうか。

今まで挙げた事の逆をすれば良いといえます。ポイントは、決算書から“濁り”を減らしていくことです。

  • 役員貸付金を解消する
  • 仮払金は早めに精算する
  • 滞留売掛金を整理する
  • 在庫の実態を見直す
  • 貸付金や立替金の中身を説明できる状態にする

見た目をよくする粉飾ではなく、実態としてわかりやすく説明できる財務に整えることが大切です。

【結論】銀行が嫌うのは「数字の悪さ」より「管理の甘さ」

銀行が嫌う勘定科目とは、要するに「この会社はお金をきちんと管理できているのか?」と疑わせる科目です。

役員貸付金、仮払金、滞留売掛金、動かない在庫、不透明な貸付金。こうした科目が残っていると、たとえ黒字でも融資で不利になることがあります。

逆に言えば、決算書の中身を整理し、説明できる状態にしておけば、銀行からの信頼はかなり変わります。

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高橋 輝雄
財務参謀(社外CFO) / 税理士 / 元SE。東京都中央区(茅場町)を拠点に活動 。元システムエンジニアという異色の経歴を持ち、SE出身の論理的思考と10年の税理士実務を融合させた「現預金最大化」の専門家 。 単なる過去の記録係ではなく、未来のキャッシュを創る軍師として、独自開発の『シミュレーター』と15以上の財務施策を駆使し、中小企業の資金繰りを劇的に改善 。 これまでに500件以上のマイクロ法人を支援してきた実績を持ち、情に厚く、社長の志に伴走する涙もろい財務参謀です。