RSU・ESPP・ストックオプションは確定申告しないと後からのダメージが大きいですよ!

こんにちは。税理士の高橋輝雄(@teruozeimu)です。
独立してからというもの外資系企業の方のRSUやESPP・ストックオプションのご相談を多くいただいております。
独立するまでは気が付きませんでしたが、外資系企業さんはかなり放任主義と言いますか、株式の確定申告については従業員任せなのだと感じております。
確かに外資系の優秀な方々といえども、ほとんどの方は普通のサラリーマン。
会社からいきなり「株を付与したから確定申告してね」と言われても、どうしたら良いのかよく分からないのではないでしょうか?
特にRSUにより会社から株式を付与(厳密には付与されVESTしたもの)されていて、それについて特に何もしていない方が多いのです。
後に税務署から指摘を受けて必要以上の税金を支払う羽目になったというご相談が後を立ちません。
今日はその辺についてお話していきたいと思います。
コンテンツ
外資に勤めている方でも一部しか馴染みのないRSU
先日、知り合いから医療費控除を頼まれまして。
これはいらないかな?と渡されたのがRSU(Restricted Stock Unit)の明細。
以前、某IT世界最大シェアのM社の方を担当していた時もありましたが、外資は社員のモチベーションアップなどの観点から自社の株式を付与する場合があります。
ストックオプション(SO)という言葉は税理士受験生でもよく聞く言葉かと。RSUもその類ですね。
日本語だと「譲渡制限付自社株取得権」なんて呼ばれています。
これらの株はもらってもすぐには売却できないというのがミソ。
売れる時まで株価上げて
売却益出せるように頑張ってね~。
という風に、売却できるまでは一定期間は寝かせる必要があるのがほとんどです。中には途中で退職した場合には権利が消失してしまう会社もあります。
もちろん、もらった時よりもいざ売れる時に株価が低迷していれば損する事になります。
会社から株式を付与されも確定申告しなければバレない!?
結論から言いますと、ほぼ確実にバレます。
なぜかというと、会社の方で付与した時の情報はともかく、実際にVEST(※)された時にその情報が税務署の方に会社から報告されているとお聞きしますので。
RSUなどは株式の付与時には何も税金上発生しませんが、制限が解除された(VEST)時に給与と同じように税金計算上の所得が発生します。賞与のタイミングで付与されてそのままVESTという事も多いようですね。
つまり、まだ税務署から何も来ていない方は、税務署から連絡があるのも時間の問題であるとも言えます。
確定申告を遅れて行うとどんなペナルティがある?
確定申告を期限内(3/16~3/15)に行えばよいのですが、期限後に確定申告をするといくつかのペナルティがあります。
- 無申告加算税
- 過少申告加算税
- 延滞税
- 延滞金(住民税)
こういったものは当初期限内に申告していた場合には0円なのは言うまでもありません。
むしろ申告せずに黙っていた期間が長いほど、利息的な意味合いである延滞税や延滞金の金額は増えます。
実は確定申告していないんだよなぁ…という方は、一刻も早く過去の分も確定申告されることをお勧めします。
後ろめたい部分を意識して日々過ごすのは精神衛生上良くないのではないでしょうか?
会社からRSUを取得した場合の確定申告
結論から言いますと、RSUももらった時には「給与所得」として処理します。
話に聞きますと、会社からは「株を付与したよ~」という明細や金額が報告されるだけで、「確定申告必ずしてね~」とまで言われないようで。
だから、申告が漏れる人も多いのではないかと。
外資系企業さん、もっと従業員に通知させてあげて下さいよと。
なお、付与は円ではなくドルでの付与の場合多いですね。ですので、確定申告する時は下記のような形で計算します。
付与された株式数×1株あたりの価格×付与日の仲値レート(TTM)
幾つかのところで聞きましたがTTBやTTSではなく、やはりTTMで換算していました。
ちなみに、私はいつもみずほ銀行のヒストリカルデータを使用しています。(日次データ)
なお、これは株式取得時の確定申告の話で。
この取得した株式を売却した場合は「譲渡所得」が発生しますので混在しないように。こちらも確定申告をお忘れないようにご注意を!
RSUを確定申告することによる影響
所得税と住民税に影響アリ
RSUの付与により確定申告をする場合、注意しなければならないのは担税力と言われる「税負担のお金」をよく考えないといけません。
何を言いたいのかと言えば、株式を付与された時というのは給与と異なります。
- 源泉所得税が徴収(前払い)されていない
- キャッシュインがない
特にキャッシュインがないのに給与所得として含めて確定申告をしなければならないということは、RSUで付与された分だけ所得税と住民税が増えるという事です。
大抵の場合、VEST時に結構な金額が付加されるなと感じています。そうしますと、給与の割に支払わなければならない税金が高いと感じる事に。
自分でそう感じており、さらにご家族からもチクリと言われることもあるのではないでしょうか…。
株式の付与はありませんが、自分もその辺のお気持ちはよく分かります…。女性はとにかく入ってくるお金さえしっかりしていれば問題ありませんからね(笑)
こまめに付与された株式を売却するのもアリ
税負担額を減らすためにはどうするかと言いますと、今までの経験から言えば「付与された株式をこまめに売る」という方が多いですね。
なお、売る場合には取得した時の給与所得ではなく、株式を売却する行為となるので「譲渡所得」となります。
日本の所得税が累進課税制度という、収入が高いほど税金が上がる仕組みなのですが、付与された株式を売却するときは一律20%ほど(住民税含む)となります。
付与された株式の所得税を以前に付与された株式の売却で補うということですね。
ただ、私の個人的な考えですが、通常RSUやESPP、ストックオプションで購入する株式というのは通常購入するよりも優遇されているので、売りたい時まで保持しておくのが一番ではないかなと思いますね。
まとめ
以上今回はRSUの付与による確定申告について記載いたしました。
もしご自身で調べたいという方は下記の書籍が参考になります。読めば分かる方は分かります。
皆さん優秀なのでご自身で色々と調べるようではありますが、ベストプラクティスと言いますか納税者様の家族状況や資産状況もお聞きして私の方からはアドバイスさせていただいております。
色々と調べたけど、よく分からないという方は、是非とも当事務所のスポット相談をご利用ください。
手前味噌ではありますが、今のところご相談いただいた皆様には大変ご満足いただいております。
ではでは!あなたのライフにも幸あらん!!
高橋輝雄税務会計事務所ではその他にも様々なご相談にのっております。
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