こんにちは。東京都中央区日本橋茅場町の税理士 高橋輝雄(@teruozeimu)です。
以前のイメージがあるからか、利益が出てくると税金でかなり持っていかれるから節税しなきゃって思っていませんか?
ところが今や、税率は昔に比べると本当に低くなっているんですよね。
もちろん、いくら税率が低くなろうとも税金で利益が持っていかれるのは、とても痛いことです。特に独立してからはその痛みが目に見えて分かるので本当にそう思います。
ただ、法人(会社)の税率はかなり下がっているのに、それでも金額の大きな保険に入ったりする必要があるのだろうかと最近思っています。
目次
昨今の税率を認識しよう
法人税
法人税は会社の税率の基本ですね。こちらの推移が下記になります。
財務省「法人税率の推移」より引用
これを見ても一目で分かりますように、法人税の税率というのはピーク時の半分近く(43.3%⇒23.2%)になっています。
ましてや、中小企業に限定すれば、軽減税率(図のピンクのライン)がありますから、現状であれば年間800万円の利益(厳密には所得)までは15%の税率です。
これだけでも相当税率が下がっていると分かりますよね。
地方税のような他の税金を含めるとどうか?
地方税は内訳で言えば法人住民税・事業税といったところ、また、昔は無かった地方法人税といったものも創設されています。
しかしながら、それらを加味しても税率で足していきますと30%を切ります。
この30%という数字は、中小企業の法人税の軽減税率を考えていないのにです。軽減税率を含めて考えると税率は20%台前半まで落ちます。
利益が800万円以下の会社であれば、全て合わせて税金が20%台ですよ!逆に考えれば80%は会社に利益として残るのです。それでも極端な節税が必要になるのでしょうか?
結論から申しますと、過度に節税を行うぐらいならば納税をした方が会社にはお金が残ります。
会社を大きく育てていきたいならば、目先の節税よりも納税の方がプラスにはたらくこともあるのです。
それでも節税するならコレをしよう
とはいえ、利益を圧縮したいのは皆同じ。
もし節税するなら優先的に自分はこちらをおすすめ致します。
必要な備品の購入で利便を買う
あくまで必要なものにすること。中小企業であれば30万円未満のものであれば一括で経費にできるのです。
こういった備品への投資を考える場合ですが、下記のような考え方もあります。
- 高性能のPCに買い替えることで、作業効率が上がる。結果として時間を購入したことに
- 机やイス→より良いものに買い替える事で、作業効率を上げることもできる
- ツールの購入も思わぬ好影響が出る事も
人材への投資で数値に出ない強化
会社を拡大するのであれば、人材の投資として採用費にお金をかけるのが良いでしょう。
なぜわたしが人材への投資を押すかといえば、ほとんどの会社は「人が支えている」であるからです。人の良し悪しで会社の伸び方も異なります。
採用を実際に行う場合には単に広告を出すのも良いですが、あまりにも空振りが多かったり短期で良い人が欲しいというならば、エージェントを利用してめぼしい人を探す方法もあります。
よくある節税策に期末に決算賞与を出すというのは緊急策であり、得策ではないと思っています。
それに、一度決算賞与を出してしまいますと、以後従業員は決算賞与が出るものと思うようになり、決算賞与が出ないとモチベーションが下がるという結果にもなりかねません。そういう会社をいくつも見てまいりました。
倒産防止共済で外部に積立
たびたび節税の話があると紹介している倒産防止共済。民間の保険ともっとも異なるのは、80ヶ月以上払込をしていれば、払込金全額を100%いつでも返金してもらえるというのが強みでしょう。
これが民間の保険では、払込金額が全額は戻って来ない(受取タイミングにより返戻金が100%超えるものもありますが、あくまで一時的です)し、保険の返戻のタイミングが決まっています。
倒産防止共済ならば、800万円支払うまでは金額の変更も自由ですし、返戻するタイミングも自由です。800万円たまったら好きなタイミングで解約すれば800万円返ってきますからね。
保険会社の人に怒られそうですが、特に会社で社長のための保険に加入する特段の理由がない限りは倒産防止共済がベストの選択でしょう。
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まとめ
独立してからというもの、節税商品を扱う会社からの営業を多く受けます。
しかし、利益が数千万円経常的に出るような会社でもない限りは、グレーな節税策には手を出さないのが得策だと思っています。無駄に船やコンテナにお金を出すのはどうなんでしょう?
手堅い経営こそ会社が大きくなる道だと思います。