大企業の”なんちゃって中小企業化”は続く

こんにちは!茅場町の税理士高橋輝雄です。

税制は目まぐるしく変わっており、税制大綱では毎年新たな論点が盛り込まれます。
しかしながら、大法人の中小企業化についてはなかなかメスが入りません。

本日はその事について触れていきたいと思います。

大企業の中小企業化とは?

そもそも大企業の中小企業化とはどういう事でしょうか?

それは大法人が資本金を1億円以下に減らす、いわゆる”原資”をする事を指しています。

それによりどんなメリットがあるのかと言えば、税制的に中小企業だけに優遇された仕組みを利用する事ができるのです。

中小企業だから使える税制
  • 繰越欠損金の全額控除(大法人は100%控除ではなく50%)
  • 欠損金の繰戻し還付(2023年現在は資本金10億円以下までが可能)
  • 法人事業税の外形標準課税の適用除外
  • 800万円以下の交際費の損金算入(大法人は全額ではない)
  • 30万円未満の少額減価償却資産の一括損金算入(経費)化

資本金を減らすだけでこれらのメリットを教授できるのです。

『隣の大企業がやるならばウチも!』

と、そりゃなりますよね^^;

参考として国税庁の大企業と中小企業者の判定を載せておきます。
No.5432 措置法上の中小法人及び中小企業者

コロナ禍以前ではかなり稀だった大企業の中小法人化

以前はこのスキーム(仕組み)がメジャーだったかと言えばそうでもなく。

私が記憶しているのは2015年にシャープが減資しようとして猛烈な批判が出た事例でした。

しかし、今やコロナ禍でこういった大企業が中小企業化するのはかなり増えました。
調べてみますと自分の感覚以上に相当な数が行われていたようです。

大企業1000社、減資で中小に衣替え(産経新聞)

形式基準だけを満たせば適用でよいものか?

2023年の税制大綱でも大企業の中小法人化に対する規制は見送られたようです。

税制についても経済界の影響は大きいわけで、この制度を規制する=経済界を敵に回すとも言えます。ですのでここの部分については今後も規制するのは簡単には難しいのでしょう。

ただ、税務調査でもたびたび条件だけを満たすような「形式基準」が否認(経費などとして認められない)されるような一方で、大法人が資本金だけを減資して形式的に1億円以下を満たせば「中小企業」として扱われる。

こういった事は課税の公平性の観点からはマズいのではないかと個人的には考えます。

今後、大企業の中小企業化に規制が入るかもしれませんが、なんとなく納得がいかない部分もありつつも大法人も欠損金をはじめとしていじめられていはいるので仕方ないのかなぁとも思うのでした。

兎にも角にも個人や中小企業には形式だけを求め、影響が大きい大法人はスルーというのはいかがでしょう?

あなたはどう思われますでしょうか?

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ABOUT US
高橋 輝雄
財務参謀(社外CFO) / 税理士 / 元SE。東京都中央区(茅場町)を拠点に活動 。元システムエンジニアという異色の経歴を持ち、SE出身の論理的思考と10年の税理士実務を融合させた「現預金最大化」の専門家 。 単なる過去の記録係ではなく、未来のキャッシュを創る軍師として、独自開発の『シミュレーター』と15以上の財務施策を駆使し、中小企業の資金繰りを劇的に改善 。 これまでに500件以上のマイクロ法人を支援してきた実績を持ち、情に厚く、社長の志に伴走する涙もろい財務参謀です。