お問合せ、ご相談のお申し込みは以下「問い合せフォーム」をご利用ください。

「源泉徴収票は年末まで渡せない」は真っ赤なウソ。今すぐにでも貰えます。

こんにちは。東京都中央区日本橋茅場町の税理士 高橋輝雄(@teruozeimu)です。

春といえば入社式の季節。

そういえば新入社員になるかたは、総務や人事からこんな事を言われませんでしたか?

入社前にアルバイトをしていたら、源泉徴収票を持ってきてください

と。

また、新入社員に限らず、中途入社した方も前職があれば同じようなことを言われると思います。

このような状況でのトラブルをよくお聞きしますので、今日は解説したいと思います。

 

源泉徴収票は年末調整しないと出ないわけではありません

 

まず源泉徴収票について

源泉徴収票は、『その年において、その会社でどれだけ給与をもらって、どれだけ所得税を払ったか?』が記載されています。

他にも会社から天引き(給与の支払い時に会社が預かること)された社会保険(年金や健康保険)の金額も分かりますね。

なお、「支払金額」というところが、通常「年収」という時に使う数字です。

実際に入金されたり、手渡しされる金額は「手取り」となります。

 

年末以外にも、源泉徴収票をもらう時がある

源泉徴収票をもらうのは、通常であれば年末になって、年末調整が終わった時でしょう。

きちんとした会社であれば、12月に給与をもらう時に給与明細に挟まれているかと思います。

それ以外でも、年の途中で「退職した」というときも源泉徴収票をもらいます。

「年末調整をしてない場合には、源泉徴収票を交付しなくて良いんだよ」

なんて、目玉が飛び出そうな言葉を聞いたこともありますが、そんなことはありませんので。

国税庁タックスアンサーNo.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数より
「給与所得の源泉徴収票」は、給与等を支払った全ての者について作成し交付することとされています

 

特に、喧嘩別れして勤務先を辞めたアルバイトの場合には、源泉徴収票をもらっている方がとても少ないように感じます。

そもそもアルバイトを軽視していらっしゃるところも多いようですが、扶養控除等申告書を提出している場合には、会社は年末調整を行う義務があります。
正社員だろうと、アルバイトだろうと変わりませんので。

 

新卒や中途で源泉徴収票を出さないと何が起こる?

結論から言いますと、金額によっては知らずに「脱税」となってしまう場合があります。

特に中途の方は、前職も結構な収入がある場合には、前職の源泉徴収票を出さないと、ほぼ脱税状態になってしまう可能性が高いでしょう。

というのも、日本の所得税は「累進課税制度」といって、稼いだ金額が大きいほど税率が上がる仕組みだからです。

例えば、

税率をかける前のもうけ金額(所得といいます)が195万円以下の場合…所得税率は5%(最低税率)

なのに対して、

所得が4,000万円超の場合には、所得税率は45%(最高税率)

ですので、1/1~12/31までの収入を全部足して、最終的に、あなたがどれだけもうけたか?
という金額を出さないと、税率が変わってしまうんですね。

それにより、本来納める税金(所得税と住民税)も変わってくるということです。

最後の方は、会社の辞め方が良くなかったので、今さら源泉徴収票をもらえない。
と、新しい会社に提出しない方もいるようですが、後に会社の方に修正の通知がいく可能性もあります。

 

必ず前職がある場合には新しい会社に提出するか、年末調整までに出し損ねたならば確定申告をしましょう

たとえ、年末調整に間に合わなかったとしても、確定申告して追加の納税をすれば問題はないです。

※必要以上に怖がらないで
いきなり「脱税」と言われて、脱税=逮捕という思考の方もいらっしゃるようですが、それはまずないのでご安心ください。
とはいえ、申告してないと、延滞税という利息の支払いのような金銭的なペナルティはあります。

 

まとめ

思うに、雇い主である社長やオーナーもこの仕組みが分かっていないから、源泉徴収票を出さないという状態が多いのでしょう。

経営者の方もこの記事を見ているようであれば、色々あった事はともかく、辞める方には源泉徴収票を出しましょう。

知ってか知らずか、

「年末でないと源泉徴収票は出せない」

とか

「途中で辞めたアルバイトには源泉徴収票を出す必要もない」

などという方もいらっしゃるようです。

そのような事は、経営者側も本来渡すべきものを渡していないというリスクを負っていることを自覚しましょう。

単に年末になって会計事務所や社労士事務所が年末調整をしているだけであり、年の途中でも源泉徴収票は作成できます。
退職者がいたことを伝えて、源泉徴収票の作成を依頼すれば作成してくれるはずです。

ただし、作成が有料の事務所もありますし、自分で作成してくださいと言われるかもしれませんが。
とにもかくにも作成できるということを覚えておいてください。

 

【高橋輝雄のアカウント】(気軽にフォローして下さい)
Twitter  https://twitter.com/teruozeimu

==============================>
【編集後記】
冬のような寒さ。
今日は東京じゃ雪が降ったとか…。

今日が入社式の会社もあるようで、
自分の社会人一発目の入社式もとても寒かったのを思い出しました。

「今日の寒さは春用スーツにはこたえました」
と日報の所感に書いて怒られたのも今となっては良い思い出です(*_*;

【昨日の一日一新】
・八潮の焼き肉屋
・とある見学
・大学時代の旧友からの12年ぶりの電話(一新じゃないけど 笑)
<==============================

お問合せ、ご相談のお申し込みは以下「問い合せフォーム」をご利用ください。

ブログ・SNSに書きづらい内容はメルマガで

ABOUT US
高橋 輝雄
税理士・FP・元SE。アフィリエイトなどのネットマネタイズも日々研究し、HP・ブログ運営も自らの手で行っている。また、「税務のことをいかに一般の人に分かりやすく伝えるか?」という事を大事にしている。個人事業主と中小企業の顧問や税務調査立会に定評がある。情に厚く大変涙もろい。